都会での生活費と比べ、田舎暮らしは家賃や食費など、コストが下がるイメージがありますよね。
しかし、盲点になりがちなのが通信費です。
大手キャリアのスマホプランを使っていると、毎月1万円以上の出費は珍しくありません。
田舎への移住を検討する方にとって、通信環境の不安は大きいものです。
「格安SIM(MVNO)にしたいけど、田舎の山奥で電波が入るのか?」「リモートワークや動画がカクカクしたらどうしよう」と心配になりますよね。
結論から言えば、私の体感では、ほとんどの場所で格安SIMは問題なく使えます。
ただし、いくつかの注意点と、失敗しないための具体的な選び方を知っておく必要があります。
この記事では、私が実際に地方で格安SIMを利用した経験をもとに、電波状況、速度のリアル、そして解決策をお話しします。
ほとんどの格安SIMは「電波のつながりやすさ」は大手キャリアと変わらない
田舎で格安SIMを使う際、最も気になるのが「電波がちゃんと入るのか」という点でしょう。
この点について、まずは構造的な理解をしておきましょう。
格安SIM(MVNO)とは、ドコモ、au、ソフトバンクといった大手キャリア(MNO)から通信回線の一部を借りて、サービスを提供している会社のことです。
つまり、電波そのものの「入りやすさ」は、あなたが選んだ格安SIMがどのキャリアの回線を使っているか(タイプD/A/Sなどと呼ばれることが多いです)によって決まります。
例えば、私の住んでいる地域はソフトバンク回線が比較的強くドコモの回線が弱いので、格安SIMもソフトバンク回線を利用しています。
結果として、大手キャリアを使っていた時と、山間部にある自宅や近隣の集落内での「圏外になる頻度」はほとんど変わりませんでした。

てっきり安い分だけ電波が悪くなると思ってた・・・。

そう思われがちだけど、電波を出す基地局は大手キャリアのものを使ってるから、電波の入る、入らないの境目は同じなんだ。
むしろ、ごくまれに大手キャリアのアンテナが届きにくいエリアでも、別のキャリア回線を使った格安SIMの方がつながる、といった逆転現象すら起こり得ます。
重要なのは、移住先の地域でどのキャリアの電波が一番強いかを事前に確認することです。
周囲の住民の方のスマホを見せてもらったり、ネットで「(地域名) ドコモ/au/ソフトバンク 電波状況」で検索してみるのが確実です。
「速度が遅い」は本当?昼休みや夕方の”体感速度”のリアル
電波の入りやすさとは別に、格安SIMには「速度が遅くなる時間帯がある」という話があります。
これは本当です。
格安SIMは大手キャリアから「借りた回線」を、契約しているユーザー全員で共有して使うため、利用者が集中する時間帯に速度が低下する傾向があります。
私が実際に体験した、特に速度低下が顕著な時間帯と、その時の体感は以下の通りです。
昼休み(12:00〜13:00)の速度低下
多くの人が一斉にスマホを使い始めるこの時間帯は、速度低下が最も顕著です。
- 体感: Webサイトの表示に3秒以上かかる、SNSの画像読み込みが遅い。動画視聴は途切れることも。
- 具体的な解決策: 昼休みに動画を見たり、重たいデータ通信をする予定がある場合は、可能な限り自宅や職場(可能であれば)のWi-Fiを利用する。また、ニュースサイトなどもこの時間帯は通信を避け、テキストベースの軽いもの中心に見るなどの工夫をしていました。
夕方(17:00〜19:00)の速度低下
帰宅途中や夕食準備中など、通信量が増える時間帯もやや低下します。
- 体感: Web検索は問題ないが、YouTubeなどの動画視聴は画質を下げないと若干ストレスを感じる。
- 具体的な解決策: 自宅にいる時間なので、これも必ず自宅の光回線(またはホームルーター)のWi-Fiに接続することで回避可能です。田舎暮らしでは、自宅のWi-Fi環境さえしっかりしていれば、大抵の問題はクリアできます。
ただし、格安SIMの中でもUQモバイルやY!mobileなど、「サブブランド」と呼ばれるものは、大手キャリア並みの速度を維持しやすい傾向にあります。
通信速度を最優先するなら、多少料金が高くなってもサブブランドを選ぶのも一つの手です。(高いといっても大手キャリア半額以下のプランもあるので、各社公式サイトで確認してみてください。)
私は外出先での利用もある程度視野に入れていたので、Ymobileを選択しました。
失敗しない!田舎暮らしのための格安SIM選び、具体的な3つの視点
田舎で格安SIMを快適に使うためには、漠然と「安いから」で選ぶのではなく、具体的な利用シーンを想定した選び方が必要です。
契約前に回線エリアを「点」ではなく「面」で確認する
前述の通り、電波の入りやすさは大手キャリア回線に依存します。
契約したい格安SIMが決まったら、それが「ドコモ回線」「au回線」「ソフトバンク回線」のどれを使っているのかを確認し、それぞれのキャリア公式サイトのサービスエリアマップで、自宅や通勤ルートをチェックしましょう。
- 確認すべき具体例: 自宅だけでなく、最寄りのスーパー、病院、役場といった「生活圏」全体の電波状況を色分けされた地図上で確認します。
自宅はOKでも、生活の核となる場所がギリギリのエリアだと不便です。
特に山間部では、地図上では問題なくても、崖や谷間で電波が遮られることもあります。
この確認作業は、現地を訪れた際に、そのキャリアのスマホを持った友人と一緒に回ってもらうなど、アナログな方法も有効です。
「低速モード」の上手な活用とデータ容量の選択
格安SIMの多くは、高速データ通信の容量を使い切った後や、あえて速度を落として通信する「低速モード」があります。
これが田舎暮らしでは非常に便利です。

低速モード(300kbps)でも、LINEのやりとりやテキストの閲覧くらいはは結構スムーズにできるんだよね。

そうそう。300kbpsって聞くと遅そうだけど、日常使いなら意外といけるよね。
データ容量は、自宅に光回線があるかどうかで大きく変わります。
- 自宅にWi-Fiがある場合: 外出先での利用がメインになるため、3GB〜6GB程度の小容量プランで十分なことが多いです。
特に速度が遅い時間帯にはデータ容量を消費しない「低速モード」に切り替えて、テキストベースのやり取りに限定すれば、さらに節約できます。 - 自宅のWi-Fiがない、または不安定な場合: 10GB以上の大容量プランや、特定の格安SIMが提供する「データフリー(特定のサービスはデータ消費なし)」オプションなどを検討しましょう。
格安SIMの具体名を挙げてみる
格安SIMと一言でいっても種類は多く、迷う方もいるでしょう。
以下に、私の周りの利用者や、私が実際に使ってみて田舎暮らしでもバランスが取れていると感じた、比較的知名度の高いサービスをいくつか挙げます。
| サービス名 | 回線 | 特徴・田舎暮らしでのメリット |
| IIJmio | ドコモ/au | 料金が安く、必要な時に使える「低速モード」が優秀。複数のSIMを家族でシェアしやすい。 |
| mineo | ドコモ/au/ソフトバンク | 3キャリアから選べるのが最大の強み。 |
| UQモバイル | au | サブブランドのため、通信速度が安定しやすい。お昼時でもストレスを感じにくい人が多い。 |
| Y!mobile | ソフトバンク | サブブランドで速度安定。実店舗があるため、何かあった時に相談しやすい。 |
これらはあくまで一例です。
ご自身の生活エリアの「強い回線」と「日々の利用時間帯」に合わせて、最適な格安SIMを選びましょう。
都会と違う田舎の「バッテリー消費」と通信の注意点
格安SIMとは少し話が逸れますが、田舎でスマホを使う上で見落としがちなのがバッテリー消費です。
これは格安SIM/大手キャリアに関わらず起こりえます。
山間部や集落によっては、大手キャリアの電波がギリギリ届いている、あるいは建物が電波を遮っている場所があります。
スマホは電波が弱い状況だと、常に最大の力で基地局からの電波を探し、接続を維持しようとするため、バッテリーを激しく消耗します。
都会のように常に強力な電波が届いている環境とは違うので注意が必要です。
まとめ
田舎での格安SIM利用は、都市部とは異なるいくつかの工夫が必要です。
しかし、それは「使えない」という意味ではありません。
- 電波の入りやすさ: 格安SIMが借りている大手キャリアの回線エリアと同じ。生活圏内でどの回線が強いかを事前に調べるのが最優先。
- 速度のリアル: 昼休みや夕方は速度が落ちる。自宅Wi-Fiを有効活用し、外出先では利用時間帯を工夫することで回避可能。
- 具体的な解決策: UQモバイルやY!mobileといったサブブランドを選ぶか、またはIIJmioやmineoでコストを抑えつつ、通信が遅い時間帯は低速モードに切り替えて使うなど、自分のライフスタイルに合わせた具体的な戦略を持つことが大切です。
田舎暮らしは、都会のようにすべてが便利に整っているわけではありませんが、「工夫」と「準備」によって、節約と利便性を両立させることができます。
通信費を抑えることは、田舎暮らしの家計に大きなゆとりを生み出します。
この記事が、少しでも田舎暮らしを快適にする手助けになれば幸いです。


